AI(人工知能)の進化が止まりません。ニュースでその可能性を見聞きするたび、「自社にも導入すべきか?」「しかし、何から手をつければいいのか分からない」と感じている中小企業の経営者や担当者の方も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、AIはもはや「遠い未来の話」ではなく、今すぐ取り組むべき経営課題です。
2025年11月12日にグランヴェール岐山で開催された岐阜県中小企業家同友会の「第38回 岐阜県中小企業経営フォーラム」に参加させていただきました。「AIが開く新しい可能性」についての最新の議論と事例に触れてきました。
この記事では、AI・DXの総合商社|The Prince Academyの渥美が同フォーラムで得られた学びを元に、以下の点について解説します。
フォーラムで語られた「AIのリアルな可能性」とは?
中小企業がAI活用で失敗しないための「リスク回避策」
明日から具体的に何をすべきか?
この記事を読めば、AIに対する漠然とした不安が解消され、「自社ならこう使えるかもしれない」という具体的な活用イメージと、次への一歩が明確になります。
概要 AIへの期待と熱気に包まれた会場
今回のフォーラムは、岐阜県内の中小企業経営者を中心に、AI活用への高い関心を持つ人々が集まりました。フォーラムは3つの会場に分かれ同時開催され、AIに関する勉強会は第3分科会でした。筆者の渥美はこちらに参加させていただきました。
執筆者が感じたこと
第三分科会の会場は満席でAIに対する期待感や興味を持つ人が多いんだなと感じました。特に印象的だったのは、参加者の年齢層の広さです。ベテランの経営者から若手の後継者までが真剣な眼差しで講演に耳を傾けており、「AIをどうにかして事業に取り入れたい」という強い熱気を感じました。名刺交換の際も、「見積もり業務にAIは使えないか?」といった具体的な相談をいただいたり、AIとは何か?(What)の質問よりもどのように活用するのか(How)の質問があり、一歩進んだ議論ができてAIの本格的普及は間近という感覚を得ました。
AIが開く新しい可能性:実践報告から見えた未来
フォーラムでは、AI導入による実践報告が主に行われました。特に注目すべきポイントを共有します。
Notoカレッジの辻様「AIは『コスト削減』の道具ではない」
障害者支援の福祉サービスをされている株式会社Notoカレッジの辻様はプログラミング経験がない女性のベテランスタッフがGoogleスプレッドシートを使って、業務短縮をしていることなどの事例を挙げながら、社内でのAI導入の実践報告をされました。一方でAI活用をしたときの懸念点として、「AIを使うことで社員の成長を妨げるのではないか?」という事を仰っていたことが非常に印象的でした。実際にAI導入に取り組む県内企業3社の代表が登壇し、リアルな失敗談と成功の秘訣が語られました。
共通する壁: 「AI人材がいない」「何から試せばいいか分からない」「費用対効果が見えない」。
スモールスタート: まずは特定の業務(例えば、電話の一次対応)に限定して導入してみる。
外部パートナーの活用: 無理に自社で完結させず、専門知識を持つベンダーやコンサルタントと協業する。
「触ってみる」文化をつくる: まずは経営陣や担当者がChatGPTなどのツールを日常的に使い、AIの得意・不得意を肌感覚で理解する。
執筆者が選ぶ「明日から使える」AI活用アイデア3選
第3分科会の実践報告やフォーラム全体を通して、私が「これは特に中小企業の現場で使える」と感じたAI活用アイデアを3つ紹介します。
1. バックオフィス業務の「徹底的な」自動化とスタッフのやりがい創出
経費精算、請求書処理、議事録作成など、定型的なバックオフィス業務はAIの得意分野です。AI-OCRやRPAツールと組み合わせることで、担当者をより付加価値の高い業務(例:データ分析、改善提案)にシフトさせることができます。
第3分科会で一緒の円卓テーブルの隣に座られていた建築関係のお仕事をされている方から、こんなお話を聞きました。2名の女性スタッフが子育てしながら、ウチの仕事をすごい頑張ってくれている。今後、任せる仕事が増えるとしても、いきなり仕事を振ると、社長分からない。教えてとなるそうです。今回、第3分科会で株式会社ふなやすの安部様がプレゼン中にあった写真から見積もりの仕事をつくるシステムいいな、とお話ししていたので、それ作ったの僕ですよ。とお話しさせていただきました。
2. 社内ナレッジの「検索エンジン」化
「あの資料どこだっけ?」「このトラブルの対処法は?」といった社内問い合わせ対応は、見えないコストです。社員の時間を必要とすることは、人件費が発生しているということです。しかもこれは労働集約型なので、問い合わせが増えれば増えるほど労力がかかります。社内マニュアルや過去のドキュメントをAIに読み込ませ、専用のAIチャットボットを構築することで、必要な情報が瞬時に見つかるようになります。
3. AIによる「顧客の声」の分析
アンケート回答、ECサイトのレビュー、コールセンターの録音など、テキスト化された「顧客の声」をAIに分析させます。「不満の傾向」「隠れたニーズ」を可視化することで、商品開発やサービス改善の具体的なヒントを得られます。
AI活用で「絶対にやってはいけないこと」
AIは便利なツールである一方、使い方を誤れば大きなリスクを伴います。フォーラムでもAIの「負の側面」について言及がありました。
1. 機密情報の安易な入力
ChatGPTなどのパブリックなAIサービスに、社内の機密情報や個人情報を絶対に入力してはいけません。入力されたデータがAIの学習に使われ、外部に漏洩するリスクがあります。必ず、セキュリティが担保されたビジネス向けプランを利用するか、社内ルールを徹底してください。
2. ハルシネーション(AIの嘘)の鵜呑み
AIは、事実に基づかない「もっともらしい嘘(ハルシネーション)」を生成することがあります。AIが作成した文書やデータを、人間の目によるファクトチェック無しに外部に公開したり、意思決定の根拠にしたりすることは非常に危険です。
3. AI生成コンテンツの「無加工」利用
AIは流暢な文章を作成できますが、それは「誰かの体験」に基づいたものではありません。AIが生成したブログ記事やレポートをそのまま(無加工で)公開することは、読者の信頼を損ねるだけでなく、検索エンジンからも「低品質なコンテンツ」と見なされるリスクがあります。
パネルディスカッションでも、「AIが書いた記事は“魂”が感じられない」という厳しい指摘がありました。AIはあくまで壁打ち相手や下書きの補助として使い、最終的には人間の「体験」と「専門性」を加えて完成させるべきだと痛感しました。
中小企業がAI導入で成功するための「具体的なTodoリスト」
AI導入を「絵に描いた餅」で終わらせないために、明日から取り組むべき具体的なステップをTodoリストにまとめました。
Step 1: 「目的」を明確にする(Why)
経営陣で集まり、「AIを使って、どの業務の、どの課題を 解決したいのか」を具体的に議論する。(例:見積もり作成の時間を半分にしたい、新入社員の教育コストを3割削減したい)
Step 2: 「スモールスタート」の領域を決める(What)
Step 1で出た課題のうち、「最も効果が出やすく」「失敗してもダメージが少ない」領域を一つ選ぶ。
まずは無料ツール(ChatGPT, Gemini, Copilotなど)で試せないか検討する。
Step 3: まずは「体験」してみる(Do)
経営者自身が、選んだツールを最低1週間、毎日 使ってみる。
担当者レベルでも、日常業務の中でAIに「壁打ち」をさせ、その結果をチームで共有する会を設ける。
Step 4: 「社内ルール」の暫定版を作る(Rule)
AI利用に関する最低限のガイドラインを作成する。(例:機密情報の入力禁止、AI生成物のファクトチェック必須、など)
導入パートナー(ベンダーやコンサルタント)の選定を開始する。
まとめ|AIを「脅威」から「強み」へ変える第一歩
今回の「岐阜県中小企業経営フォーラム」への参加を通じて、AIはもはや「導入するか否か」を議論する段階ではなく、「いかに使いこなし、自社の武器とするか」を競う段階に入ったと確信しました。AIは脅威ではありません。正しく理解し、リスクを管理することが大事になります。私たち「AI・DXの総合商社」は、御社のビジネスモデルと現場のオペレーションを深く理解し、数ある選択肢から「最適解」を導き出す専門家です。「自社の課題が何か分からない」という段階でも構いません。まずは、御社のビジネスについてお聞かせください。私たちが御社だけの「DX事例」をお伝えいたします。
相談はこちらから
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdObYdxcSRsSp7oaOPsiUOA0nWMzzo7ZHXYxs1lcF0DEkuN3w/viewform?usp=send_form
著者紹介
執筆者名
渥美智也
役職・専門性
The Prince Academy株式会社 代表取締役 / AI・DX支援
経歴
1996年生まれ。東京都葛飾区出身。岐阜県大垣市にある情報科学芸術大学院大学(IAMAS)卒業後、AI・DXの総合商社|The Prince Academy株式会社を設立。中小企業のAI・DX支援を中心に教育、システム開発(ホームページ制作含む)、広報代行などに従事。得意分野は医療業界。
実績・専門分野
AI技術、特に画像認識や音声認識を組み合わせた業務効率化を組み合わせたシステム構築を得意とする。2023年には24時間テレビ【日本テレビ】に渥美が開発したAIアプリが紹介される。教育分野では年間100件以上のAIに関わるセミナーや講義を行っており、2026年は、すでに300件超の講義依頼を頂いております。有難うございます。
AI導入に関する初回相談はこちら
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdObYdxcSRsSp7oaOPsiUOA0nWMzzo7ZHXYxs1lcF0DEkuN3w/viewform?usp=send_form
関連サイト
※この記事は、主に「第38回 岐阜県中小企業経営フォーラム」での見聞および、執筆者の実務経験に基づき作成されています。
AI(人工知能)の進化が止まりません。ニュースでその可能性を見聞きするたび、「自社にも導入すべきか?」「しかし、何から手をつければいいのか分からない」と感じている中小企業の経営者や担当者の方も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、AIはもはや「遠い未来の話」ではなく、今すぐ取り組むべき経営課題です。
2025年11月12日にグランヴェール岐山で開催された岐阜県中小企業家同友会の「第38回 岐阜県中小企業経営フォーラム」に参加させていただきました。「AIが開く新しい可能性」についての最新の議論と事例に触れてきました。
この記事では、AI・DXの総合商社|The Prince Academyの渥美が同フォーラムで得られた学びを元に、以下の点について解説します。
この記事を読めば、AIに対する漠然とした不安が解消され、「自社ならこう使えるかもしれない」という具体的な活用イメージと、次への一歩が明確になります。
概要 AIへの期待と熱気に包まれた会場
今回のフォーラムは、岐阜県内の中小企業経営者を中心に、AI活用への高い関心を持つ人々が集まりました。フォーラムは3つの会場に分かれ同時開催され、AIに関する勉強会は第3分科会でした。筆者の渥美はこちらに参加させていただきました。
執筆者が感じたこと
第三分科会の会場は満席でAIに対する期待感や興味を持つ人が多いんだなと感じました。特に印象的だったのは、参加者の年齢層の広さです。ベテランの経営者から若手の後継者までが真剣な眼差しで講演に耳を傾けており、「AIをどうにかして事業に取り入れたい」という強い熱気を感じました。名刺交換の際も、「見積もり業務にAIは使えないか?」といった具体的な相談をいただいたり、AIとは何か?(What)の質問よりもどのように活用するのか(How)の質問があり、一歩進んだ議論ができてAIの本格的普及は間近という感覚を得ました。
AIが開く新しい可能性:実践報告から見えた未来
フォーラムでは、AI導入による実践報告が主に行われました。特に注目すべきポイントを共有します。
Notoカレッジの辻様「AIは『コスト削減』の道具ではない」
障害者支援の福祉サービスをされている株式会社Notoカレッジの辻様はプログラミング経験がない女性のベテランスタッフがGoogleスプレッドシートを使って、業務短縮をしていることなどの事例を挙げながら、社内でのAI導入の実践報告をされました。一方でAI活用をしたときの懸念点として、「AIを使うことで社員の成長を妨げるのではないか?」という事を仰っていたことが非常に印象的でした。実際にAI導入に取り組む県内企業3社の代表が登壇し、リアルな失敗談と成功の秘訣が語られました。
執筆者が選ぶ「明日から使える」AI活用アイデア3選
第3分科会の実践報告やフォーラム全体を通して、私が「これは特に中小企業の現場で使える」と感じたAI活用アイデアを3つ紹介します。
1. バックオフィス業務の「徹底的な」自動化とスタッフのやりがい創出
経費精算、請求書処理、議事録作成など、定型的なバックオフィス業務はAIの得意分野です。AI-OCRやRPAツールと組み合わせることで、担当者をより付加価値の高い業務(例:データ分析、改善提案)にシフトさせることができます。
第3分科会で一緒の円卓テーブルの隣に座られていた建築関係のお仕事をされている方から、こんなお話を聞きました。2名の女性スタッフが子育てしながら、ウチの仕事をすごい頑張ってくれている。今後、任せる仕事が増えるとしても、いきなり仕事を振ると、社長分からない。教えてとなるそうです。今回、第3分科会で株式会社ふなやすの安部様がプレゼン中にあった写真から見積もりの仕事をつくるシステムいいな、とお話ししていたので、それ作ったの僕ですよ。とお話しさせていただきました。
2. 社内ナレッジの「検索エンジン」化
「あの資料どこだっけ?」「このトラブルの対処法は?」といった社内問い合わせ対応は、見えないコストです。社員の時間を必要とすることは、人件費が発生しているということです。しかもこれは労働集約型なので、問い合わせが増えれば増えるほど労力がかかります。社内マニュアルや過去のドキュメントをAIに読み込ませ、専用のAIチャットボットを構築することで、必要な情報が瞬時に見つかるようになります。
3. AIによる「顧客の声」の分析
アンケート回答、ECサイトのレビュー、コールセンターの録音など、テキスト化された「顧客の声」をAIに分析させます。「不満の傾向」「隠れたニーズ」を可視化することで、商品開発やサービス改善の具体的なヒントを得られます。
AI活用で「絶対にやってはいけないこと」
AIは便利なツールである一方、使い方を誤れば大きなリスクを伴います。フォーラムでもAIの「負の側面」について言及がありました。
1. 機密情報の安易な入力
ChatGPTなどのパブリックなAIサービスに、社内の機密情報や個人情報を絶対に入力してはいけません。入力されたデータがAIの学習に使われ、外部に漏洩するリスクがあります。必ず、セキュリティが担保されたビジネス向けプランを利用するか、社内ルールを徹底してください。
2. ハルシネーション(AIの嘘)の鵜呑み
AIは、事実に基づかない「もっともらしい嘘(ハルシネーション)」を生成することがあります。AIが作成した文書やデータを、人間の目によるファクトチェック無しに外部に公開したり、意思決定の根拠にしたりすることは非常に危険です。
3. AI生成コンテンツの「無加工」利用
AIは流暢な文章を作成できますが、それは「誰かの体験」に基づいたものではありません。AIが生成したブログ記事やレポートをそのまま(無加工で)公開することは、読者の信頼を損ねるだけでなく、検索エンジンからも「低品質なコンテンツ」と見なされるリスクがあります。
パネルディスカッションでも、「AIが書いた記事は“魂”が感じられない」という厳しい指摘がありました。AIはあくまで壁打ち相手や下書きの補助として使い、最終的には人間の「体験」と「専門性」を加えて完成させるべきだと痛感しました。
中小企業がAI導入で成功するための「具体的なTodoリスト」
AI導入を「絵に描いた餅」で終わらせないために、明日から取り組むべき具体的なステップをTodoリストにまとめました。
Step 1: 「目的」を明確にする(Why)
Step 2: 「スモールスタート」の領域を決める(What)
Step 3: まずは「体験」してみる(Do)
Step 4: 「社内ルール」の暫定版を作る(Rule)
まとめ|AIを「脅威」から「強み」へ変える第一歩
今回の「岐阜県中小企業経営フォーラム」への参加を通じて、AIはもはや「導入するか否か」を議論する段階ではなく、「いかに使いこなし、自社の武器とするか」を競う段階に入ったと確信しました。AIは脅威ではありません。正しく理解し、リスクを管理することが大事になります。私たち「AI・DXの総合商社」は、御社のビジネスモデルと現場のオペレーションを深く理解し、数ある選択肢から「最適解」を導き出す専門家です。「自社の課題が何か分からない」という段階でも構いません。まずは、御社のビジネスについてお聞かせください。私たちが御社だけの「DX事例」をお伝えいたします。
相談はこちらから
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdObYdxcSRsSp7oaOPsiUOA0nWMzzo7ZHXYxs1lcF0DEkuN3w/viewform?usp=send_form
著者紹介
執筆者名
渥美智也
役職・専門性
The Prince Academy株式会社 代表取締役 / AI・DX支援
経歴
1996年生まれ。東京都葛飾区出身。岐阜県大垣市にある情報科学芸術大学院大学(IAMAS)卒業後、AI・DXの総合商社|The Prince Academy株式会社を設立。中小企業のAI・DX支援を中心に教育、システム開発(ホームページ制作含む)、広報代行などに従事。得意分野は医療業界。
実績・専門分野
AI技術、特に画像認識や音声認識を組み合わせた業務効率化を組み合わせたシステム構築を得意とする。2023年には24時間テレビ【日本テレビ】に渥美が開発したAIアプリが紹介される。教育分野では年間100件以上のAIに関わるセミナーや講義を行っており、2026年は、すでに300件超の講義依頼を頂いております。有難うございます。
AI導入に関する初回相談はこちら
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdObYdxcSRsSp7oaOPsiUOA0nWMzzo7ZHXYxs1lcF0DEkuN3w/viewform?usp=send_form
関連サイト
※この記事は、主に「第38回 岐阜県中小企業経営フォーラム」での見聞および、執筆者の実務経験に基づき作成されています。