AI活用概論

画像の品質チェック:そのまま使ってよいか判断する

この節で学ぶこと

前の節では、画像生成AIで背景画像を作り、文字はGoogle SlidesやCanvaで後から入れる方法を学びました。

今回は、作った画像を公開・提出する前に確認する方法を学びます。

この節で新しく習得する技術は、次の1つです。

画像公開前チェックリストを使って、生成画像を確認する

画像生成AIで作った画像は、見た目がきれいでも、そのまま使ってよいとは限りません。

たとえば、次のような問題が残っていることがあります。

読めない文字が入っている
人物の手や顔が不自然
実在ロゴのようなものが入っている
架空の日付や価格が入っている
作品の内容が変わっている
見る人に誤解される表現になっている

この節では、生成画像を見て「使ってよいか」「修正が必要か」を判断する練習をします。


なぜ品質チェックが必要なのか

AIで画像を作ると、短時間でそれっぽい画像ができます。

しかし、「それっぽい」ことと「実際に使える」ことは別です。

たとえば、イベント告知画像に、AIが勝手に日付を入れてしまった場合を考えてみます。

画像内に「5月20日開催」と入っている
でも、本当の開催日は5月27日

このまま投稿すると、見る人が間違った日に来てしまうかもしれません。

また、ポートフォリオ画像で、自分のアプリ画面がAIによって勝手に変えられていた場合も問題です。

実際には作っていないグラフ機能が入っている
実際には作っていないログイン画面が追加されている

このような画像をそのまま使うと、自分が作っていないものを作ったように見えてしまいます。

だからこそ、画像生成AIを使うときは、最後に人間が確認する必要があります。


1. 画像品質チェックで見るべき5つの視点

生成画像を確認するときは、次の5つに分けて見ると分かりやすいです。

1. 文字
2. 人物・身体
3. 情報の正確さ
4. 権利・ロゴ
5. 目的との一致

順番に見ていきます。


1. 文字のチェック

まず、画像内に文字が入っていないか確認します。

画像生成AIは、看板、ポスター、PC画面、メニュー表などに、読めそうで読めない文字を入れることがあります。

よくある例

謎の英単語
崩れた日本語
存在しない日付
意味のない数字
読めない看板
読めないメニュー表
偽物のQRコード

確認すること

チェック項目判断
読めない文字がないかあれば修正
勝手な日付がないかあれば修正
勝手な価格がないかあれば修正
QRコードのようなものがないかあれば削除
URLらしきものがないかあれば削除
看板やメニューに意味不明な文字がないかあれば修正

2. 人物・身体のチェック

人物が入っている画像では、身体が不自然になっていないか確認します。

特に、手や指、顔、目、口、腕の形は不自然になりやすい部分です。

よくある例

指の本数が多い
手の形が不自然
顔がゆがんでいる
目線が変
腕や足のつながりがおかしい
人物が背景に溶けている

授業やSNSで使う画像では、人物の顔をはっきり出さない構図にすると失敗が減ります。

後ろ姿
手元だけ
シルエット
横顔をぼかす
顔が小さく写る構図

このような指定を使うと、安全に使いやすい画像になります。


3. 情報の正確さのチェック

イベント告知、お店紹介、ポートフォリオ、発表資料では、情報の正確さが大切です。

AIは、見た目として自然な情報を勝手に入れることがあります。

確認すること

種類注意点
イベント告知日時、場所、料金、参加条件が勝手に入っていないか
お店紹介店名、住所、営業時間、価格が勝手に入っていないか
ポートフォリオ実際に作っていない機能が追加されていないか
授業発表事実と違う図や数字が入っていないか
SNS投稿誤解される表現になっていないか

情報が間違っている場合、その画像はそのまま使わず、修正します。


4. 権利・ロゴのチェック

画像の中に、実在する企業ロゴ、アプリロゴ、キャラクター、ブランド名のようなものが入っていないか確認します。

注意するもの

企業ロゴ
アプリロゴ
ブランド名
学校名
キャラクター
有名作品に似すぎた表現
実在人物に似すぎた顔

たとえば、カフェ画像に有名コーヒーチェーンのようなロゴが入っていたり、スマホ画面に実在アプリのアイコンが入っていたりする場合は注意が必要です。

授業では、基本的に次のように考えます。

実在ロゴやブランド名は入れない
特定のキャラクターに似せない
実在人物に似せない

5. 目的との一致のチェック

最後に、その画像が本来の目的に合っているか確認します。

見た目がきれいでも、目的に合っていなければ使いにくい画像です。

目的確認すること
授業発表の表紙発表テーマに合っているか
SNS投稿スマホで見ても雰囲気が伝わるか
ストーリーズ告知上下に文字を入れる余白があるか
お店紹介行きたくなる雰囲気があるか
ポートフォリオ作品が主役に見えるか
作品写真編集作品そのものが変わっていないか

目的に合っていない場合は、プロンプトを直して再生成します。


2. 画像公開前チェックリスト

ここからは、実際に使えるチェックリストを作ります。

生成画像を公開・提出する前に、以下を確認してください。

基本チェック

確認項目○ / △ / ×メモ
使う目的に合っている
画像サイズが合っている
主役が分かりやすい
余白がある
色や雰囲気が合っている
情報量が多すぎない

文字チェック

確認項目○ / △ / ×メモ
読めない文字がない
勝手な日付がない
勝手な価格がない
勝手な場所名がない
QRコードのようなものがない
URLらしきものがない

人物チェック

確認項目○ / △ / ×メモ
手や指が不自然ではない
顔が不自然ではない
人物が背景に溶けていない
実在人物に似せていない
顔を出す必要がない場合、後ろ姿やシルエットになっている

権利・ロゴチェック

確認項目○ / △ / ×メモ
実在ロゴが入っていない
ブランド名が入っていない
有名キャラクターに似すぎていない
実在学校名や企業名が勝手に入っていない
アプリ画面に実在サービスのロゴがない

正確性チェック

確認項目○ / △ / ×メモ
イベント情報が正しい
お店情報が正しい
作品内容が変わっていない
実際に作っていない機能が追加されていない
見る人に誤解されない

3. 手を動かす演習1:画像をチェックする

ここから実習です。

これまでに作った画像の中から、1枚選んでください。

選ぶ画像は、次のどれでも構いません。

授業発表の表紙画像
SNS投稿画像
ストーリーズ告知画像
お店紹介画像
写真編集後の画像
ポートフォリオ画像
イベント告知画像

ワークシート1

選んだ画像:

使う目的:

見せる相手:

チェックして気づいた問題:

そのまま使えるか:

修正が必要な理由:

記入例

選んだ画像:
放課後ミニフードフェスの告知背景画像

使う目的:
Instagramストーリーズでの告知

見せる相手:
クラスメイト、友人

チェックして気づいた問題:
屋台の看板に読めない文字が入っていた。
下部に日付のような数字が入っていた。
上部の余白が少なかった。

そのまま使えるか:
使えない

修正が必要な理由:
読めない文字があると違和感がある。
日付のような数字が本当の情報と誤解される可能性がある。

4. 問題を修正指示に変える

チェックで見つけた問題は、そのまま改善プロンプトに使えます。

修正指示の型

問題点:
〇〇が気になります。

修正内容:
〇〇をなくしてください。
〇〇は変更しないでください。
〇〇のように整えてください。

改善プロンプト例

全体の雰囲気は良いです。

ただし、屋台の看板に読めない文字が入っているため、画像内の文字をすべてなくしてください。

下部に日付のような数字が入っているため、それも削除してください。

上部にイベントタイトルを後から入れたいので、上部の余白をもっと広くしてください。

夕方の学校イベントらしい雰囲気、屋台、学生のシルエットはそのまま残してください。

ワークシート2:改善プロンプトを作る

残したい点:

問題点:

修正したい点:

改善プロンプト:

5. 手を動かす演習2:再生成して比較する

改善プロンプトを使って、画像を再生成します。

その後、修正前と修正後を比較します。

比較表

比較項目修正前修正後
文字の問題
情報の正確さ
余白
主役の分かりやすさ
目的との一致
使いやすさ

振り返り

修正して良くなった点:

まだ気になる点:

この画像は使えるか:

使う前に最後に確認すること:

6. 判断の基準:使う・修正する・使わない

画像をチェックした後は、次の3つに分けて判断します。

使う
修正する
使わない

判断表

判断状態対応
使う問題がなく、目的に合っている文字入れや投稿準備へ進む
修正する一部問題があるが、直せば使えそう改善プロンプトで再生成する
使わない誤情報・大きな不自然さ・権利面の問題がある別案を作り直す

使わない方がよい例

実在ロゴに似たものが大きく入っている
人物の顔や手がかなり不自然
イベント日時が勝手に入っている
自分の作品内容が別物になっている
有名キャラクターに似すぎている
見る人に誤解を与える

この場合は、無理に修正するより、最初から作り直した方が早いこともあります。


7. 専門学生におすすめのチェック習慣

画像生成AIを使うときは、次の順番で確認すると失敗しにくくなります。

1. パッと見て違和感がないか
2. 文字が入っていないか
3. 人物や手が不自然ではないか
4. ロゴやブランド名が入っていないか
5. 正確でない情報が入っていないか
6. 目的に合っているか
7. 見せる相手に出して問題ないか

特に、授業提出や就職活動で使う画像は、SNSよりも慎重に確認します。


8. 思ってもみない便利な使い方

1. 友達同士でチェックし合う

自分では気づかない違和感も、友達が見ると気づくことがあります。

この画像、変な文字入ってない?
人物の手、おかしくない?
これ、発表に使っても大丈夫そう?

このように、お互いにチェックし合うと品質が上がります。


2. 先生に見せる前の自己確認に使う

課題提出前にチェックリストを使うことで、提出物の完成度が上がります。

作品は変わっていないか
背景だけを整えられているか
誤解される表現はないか

特にポートフォリオ画像では、この確認が重要です。


3. アルバイト先への提案前に確認する

お店のSNS投稿案を作った場合も、チェックが必要です。

店名を勝手に入れていないか
価格を勝手に入れていないか
実在ロゴに似たものがないか
商品が実物と違いすぎないか

提案する前に確認できると、相手に安心して見せられます。


9. 実習課題

課題内容

これまでに作った生成画像を1枚選び、公開前チェックを行ってください。

問題が見つかった場合は、改善プロンプトを作って再生成してください。


提出するもの

1. チェックした画像
2. 画像の使用目的
3. チェックリストの結果
4. 見つけた問題点
5. 改善プロンプト
6. 修正後の画像
7. 修正して良くなった点
8. 最終判断

提出テンプレート

チェックした画像:

画像の使用目的:

見せる相手:

チェックして見つけた問題点:

そのまま使えるか:
使う / 修正する / 使わない

改善プロンプト:

修正後に良くなった点:

まだ気になる点:

最終判断:
使う / 修正する / 使わない

判断理由:

10. この節のまとめ

この節では、画像生成AIで作った画像を、そのまま使ってよいか判断する方法を学びました。

大切なポイントは、次の通りです。

  • 生成画像は、見た目がきれいでも必ず確認する。
  • 読めない文字、勝手な日付、価格、場所名がないか確認する。
  • 人物の手、顔、身体が不自然ではないか確認する。
  • 実在ロゴ、ブランド名、キャラクターに似すぎたものがないか確認する。
  • イベント情報やお店情報など、正確さが必要な情報は人間が確認する。
  • ポートフォリオでは、作品そのものが変わっていないか確認する。
  • 問題がある画像は、改善プロンプトで修正する。
  • 大きな問題がある場合は、無理に使わず作り直す。
  • 最後は「使う」「修正する」「使わない」で判断する。

次の節では、1回目の画像をさらに良くするための改善指示を詳しく学びます。

「何となく違う」ではなく、残したい点・直したい点・追加したい条件に分けて、画像を完成に近づける練習をします。

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