
テキスト入り画像の注意:文字は後から入れる設計にする
この節で学ぶこと
前の節では、架空イベントの告知画像を作りました。
今回は、画像生成AIで作った画像に、文字をどう入れるかを学びます。
この節で新しく習得する技術は、次の1つです。
文字を入れる余白を作る構図設計
ここまでの授業では、何度も次のように指示してきました。
画像内に文字は入れないでください。
なぜなら、画像生成AIに日本語文字を直接入れさせると、文字が崩れたり、意味のない文字が入ったりすることがあるからです。
そのため、この授業では基本的に、
AIで背景画像を作る
↓
Google SlidesやCanvaで文字を後から入れる
という流れを使います。
なぜ文字を後から入れるのか
画像生成AIは、雰囲気のある画像を作るのが得意です。
しかし、次のような正確さが求められる文字は苦手な場合があります。
| 文字の種類 | 注意点 |
|---|---|
| 日本語タイトル | 文字が崩れることがある |
| 日時 | 勝手に違う日付が入ることがある |
| 場所 | 実在しない場所が入ることがある |
| 料金 | 架空の価格が入ることがある |
| 学校名・店名 | 誤った名前が入ることがある |
| QRコード | 正しく読み取れないことが多い |
| URL | 正確に生成されないことがある |
イベント告知、SNS投稿、ポートフォリオ、発表資料では、文字の正確さがとても大切です。
そのため、AIには背景を作ってもらい、正確な文字は人間が確認してから後で入れます。
今回作るもの
今回は、前回の「放課後ミニフードフェス」を題材にして、文字入れ前提の背景画像を作ります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作るもの | 文字を後から入れやすい告知背景画像 |
| 画像サイズ | 9:16、または4:5 |
| 使う場所 | Instagramストーリーズ、LINE告知、学校内共有 |
| テーマ | 放課後ミニフードフェス |
| 目的 | タイトル・日時・場所を後から入れやすくする |
| 注意点 | AIに文字を入れさせない。余白を作る |
1. 文字入り画像でよくある失敗
失敗1:AIが変な文字を入れてしまう
画像生成AIに、
イベント告知ポスターを作ってください。
とだけ指示すると、AIが勝手に文字を入れてしまうことがあります。
たとえば、
FOOD FESST
FODO EVENT
2027.88.12
SCHOOLL FEST
のように、読めそうで読めない文字になることがあります。
これをそのまま使うと、見る人に違和感を与えてしまいます。
失敗2:文字を置く余白がない
背景画像としてはきれいでも、あとから文字を入れる場所がないことがあります。
画面全体に人や屋台がある
背景が細かすぎる
明るい部分と暗い部分が混ざっている
タイトルを置く場所がない
このような画像は、告知画像として使いにくいです。
失敗3:重要情報が端に寄りすぎる
ストーリーズ用の9:16画像では、画面の上や下にアプリのUIが重なる場合があります。
そのため、タイトルや日時を端に寄せすぎると見えにくくなります。
タイトルが上ギリギリ
日時が下ギリギリ
QRコードが端に寄りすぎ
CTAが見切れる
大事な文字は、画面の端から少し離して置く必要があります。
2. 背景画像と文字を分けて考える
告知画像を作るときは、最初から「完成画像」を作ろうとしない方がうまくいきます。
まず、役割を分けます。
| 役割 | 作る場所 |
|---|---|
| 背景・雰囲気 | 画像生成AI |
| タイトル | Google Slides、Canva |
| 日時・場所 | Google Slides、Canva |
| 参加案内 | Google Slides、Canva |
| QRコード | 正しいURLから人間が作成 |
| 最終確認 | 人間が確認 |
画像生成AIに任せるのは、主に雰囲気づくりです。
正確な情報は、人間が後から入れます。
3. 文字を入れる場所を決める
文字を後から入れるには、画像の中に余白が必要です。
縦長告知画像の場合、よく使いやすいのは次の構成です。
上部:
イベント名・キャッチコピー
中央:
イベントの雰囲気を見せる画像
下部:
日時・場所・参加方法
これを図で考えると、次のようになります。
┌────────────────┐
│ タイトル用余白 │
│ キャッチコピー │
├────────────────┤
│ │
│ メインビジュアル │
│ 屋台・学生・光 │
│ │
├────────────────┤
│ 日時・場所 │
│ 参加案内 │
└────────────────┘
このように、どこに何を入れるかを先に決めると、プロンプトが作りやすくなります。
4. セーフエリアを意識する
セーフエリアとは、文字や重要な要素を置いても見切れにくい安全な範囲のことです。
InstagramストーリーズやLINEで見る場合、画面の上や下に表示が重なることがあります。
そのため、重要な文字は少し内側に配置します。
避けたい場所:
画面の一番上
画面の一番下
左右ギリギリ
置きやすい場所:
上から少し下げた場所
下から少し上げた場所
左右に余白を取った場所
プロンプトにも、次のように入れます。
重要な要素は画面の端に置かず、上下左右に安全な余白を残してください。
5. まずは設計メモを作る
ここから手を動かします。
今回は「文字を入れる前提」で背景画像を設計します。
ワークシート1:文字入れ前提の画像設計メモ
画像の用途:
画像サイズ:
後から入れるタイトル:
後から入れるサブコピー:
後から入れる日時・場所:
背景で見せたいもの:
上部に必要な余白:
中央に見せたいもの:
下部に必要な余白:
文字を入れたくない理由:
入れたくないもの:
記入例
画像の用途:
学校イベントのストーリーズ告知
画像サイズ:
9:16
後から入れるタイトル:
放課後ミニフードフェス
後から入れるサブコピー:
友達と、ちょっと寄り道。
後から入れる日時・場所:
〇月〇日、学校中庭
背景で見せたいもの:
夕方の学校中庭、屋台、学生のシルエット、温かいライト
上部に必要な余白:
イベント名を大きく入れる余白
中央に見せたいもの:
屋台と人のにぎわい
下部に必要な余白:
日時、場所、参加案内を入れる余白
文字を入れたくない理由:
AIが文字を間違える可能性があるため
入れたくないもの:
画像内の文字、日付、料金、学校名、実在ロゴ、人物の顔のアップ
6. プロンプトを作る
設計メモをもとに、Nano Bananaへ入力するプロンプトを作ります。
プロンプト例
9:16の縦長ストーリーズ用背景画像を作成してください。
テーマは、架空の学校イベント「放課後ミニフードフェス」です。
この画像は、あとからGoogle SlidesやCanvaでイベント名、日時、場所、参加案内を入れる前提で使います。
上部には、後から大きなイベントタイトルを入れられる、広くて見やすい余白を作ってください。
中央には、夕方の学校中庭に小さな屋台が並び、学生が楽しそうに集まっている雰囲気を配置してください。
下部には、後から日時、場所、参加案内を入れられる余白を作ってください。
全体は、放課後らしい温かい光、青春感、少しワクワクする雰囲気にしてください。
色は、夕方のオレンジ、白、ネイビー、暖かいライトの色を中心にしてください。
重要な要素は画面の端に置かず、上下左右に安全な余白を残してください。
画像内に文字は一切入れないでください。
開催日、場所、料金、学校名、住所、QRコード、ロゴは入れないでください。
人物の顔ははっきり映さず、シルエットや後ろ姿中心にしてください。
ポイント解説
| 指示 | 役割 |
|---|---|
| 文字を後から入れる前提 | 背景画像として作るため |
| 上部に余白 | タイトルを入れるため |
| 下部に余白 | 日時・場所を入れるため |
| 中央に見せ場 | イベントの雰囲気を伝えるため |
| セーフエリア | スマホ表示で見切れにくくするため |
| 文字を一切入れない | 文字崩れを防ぐため |
| QRコードを入れない | 読み取れない偽コードを防ぐため |
7. Nano Bananaで背景画像を生成する
作業手順
1. Google AI Studioを開く
2. Nano Bananaを使える画像生成モデルを選ぶ
3. 9:16の縦長を指定する
4. プロンプトを貼り付ける
5. 画像を生成する
6. 生成画像を保存する
画像サイズを選べない場合は、プロンプトに「9:16の縦長」と必ず書きます。
8. 背景画像をチェックする
生成された画像が、文字入れ前提の背景として使いやすいか確認します。
チェックリスト
| 確認項目 | ○ / △ / × | メモ |
|---|---|---|
| 9:16の縦長になっている | ||
| 上部にタイトル用の余白がある | ||
| 中央にイベントの雰囲気がある | ||
| 下部に情報用の余白がある | ||
| 背景が細かすぎない | ||
| 文字を置いても読めそう | ||
| 画像内に文字が入っていない | ||
| 架空の日付や料金が入っていない | ||
| QRコードのようなものが入っていない | ||
| 重要な要素が端に寄りすぎていない |
ワークシート2:背景画像の振り返り
良かった点:
文字を置きやすそうな場所:
気になった点:
改善したいこと:
記入例
良かった点:
中央に屋台と学生の雰囲気があり、イベント感が伝わった。
夕方の光がきれいで、楽しい印象になっていた。
文字を置きやすそうな場所:
上部にイベント名を入れられそう。
下部に日時と場所を入れられそう。
気になった点:
上部に少し模様が多く、タイトルが読みづらくなりそう。
下部に看板のような読めない文字が入っていた。
改善したいこと:
上部をもっとシンプルにする。
下部の読めない文字をなくす。
9. 改善プロンプトを作る
1回目の背景画像を見て、文字を入れにくい部分を改善します。
改善プロンプト例
全体の雰囲気は良いです。
夕方の学校中庭、屋台、学生のシルエット、温かい光はそのまま残してください。
ただし、上部にイベントタイトルを入れたいので、上部の背景をもっとシンプルにしてください。
下部に日時と場所を入れたいので、下部にも広い余白を作ってください。
画像内に入っている看板のような文字、読めない文字、記号をすべてなくしてください。
重要な要素は中央に集め、上下左右の端には余白を残してください。
ワークシート3:自分用の改善プロンプト
残したい点:
文字を置きにくい場所:
直したい点:
改善プロンプト:
10. Google Slidesで文字を入れる
背景画像ができたら、Google Slidesで文字を入れてみます。
作業手順
1. Google Slidesを開く
2. スライドサイズを縦長にする
3. 生成した背景画像を配置する
4. 上部にタイトルを入れる
5. 中央の見せ場は隠さない
6. 下部に日時・場所を入れる
7. 文字が読めるか確認する
Google Slidesで縦長のスライドにしたい場合は、ページ設定からカスタムサイズを選びます。
比率は、9:16に近い形にします。
入れる文字例
放課後ミニフードフェス
友達と、ちょっと寄り道。
〇月〇日 16:30〜18:30
学校中庭
参加自由
実際に使う場合は、日時・場所・参加条件が正しいか必ず確認します。
11. 文字を読みやすくするコツ
1. 文字は大きくする
スマホで見る画像では、小さい文字は読みにくくなります。
特にイベント名は大きくします。
イベント名:大きく
サブコピー:短く
日時・場所:読める大きさ
注意事項:小さすぎない
2. 背景と文字の差をつける
背景が明るい場合は、濃い文字。
背景が暗い場合は、白い文字が読みやすいです。
明るい背景 → 濃い文字
暗い背景 → 白い文字
写真が細かい背景 → 半透明の帯を敷く
3. 文字を置く場所を固定する
毎回バラバラに置くと、見づらくなります。
縦長告知では、まずこの形を覚えると使いやすいです。
上:タイトル
中央:ビジュアル
下:日時・場所・参加方法
4. 文字数を減らす
告知画像に全部書こうとすると、読みにくくなります。
詳しい説明は、投稿文やLINE本文に回します。
画像内には、最低限の情報を入れます。
入れる:
イベント名
日時
場所
参加方法
入れすぎない:
長い説明文
詳しすぎる注意事項
細かい規約
長いURL
12. 文字入れ後のチェック
文字を入れたら、最後に確認します。
チェックリスト
| 確認項目 | ○ / △ / × | メモ |
|---|---|---|
| イベント名が読める | ||
| 日時と場所が読める | ||
| 背景と文字の差がある | ||
| 文字が端に寄りすぎていない | ||
| 中央のビジュアルを邪魔していない | ||
| 情報量が多すぎない | ||
| 日時・場所が正しい | ||
| 画像内にAIが作った変な文字がない | ||
| スマホで見ても読みやすい | ||
| 投稿文と組み合わせやすい |
13. 思ってもみない便利な使い方
1. クラス連絡を見やすくする
縦長背景画像に、集合時間や持ち物を書くだけで、LINEで共有しやすくなります。
明日の集合時間
持ち物リスト
発表順
グループワークの案内
文字だけで送るより、見落とされにくくなります。
2. アルバイト先のストーリーズ案を作る
背景画像をAIで作り、正確なメニュー名や価格は後から入れると、提案しやすくなります。
新メニューのお知らせ
雨の日限定案内
本日空席あり
テイクアウトできます
3. ポートフォリオの表紙にも使える
背景画像と文字を分けて作る考え方は、ポートフォリオにも使えます。
AIで背景を作る
↓
自分で作品名を入れる
↓
ポートフォリオの表紙にする
文字を後から入れることで、見た目と正確さを両立できます。
14. 実習課題
課題内容
文字を後から入れる前提で、告知用の背景画像を作ってください。
その後、Google SlidesまたはCanvaで文字を入れ、完成画像にしてください。
テーマ例
| 番号 | テーマ |
|---|---|
| 1 | 放課後ミニフードフェス |
| 2 | サークル新入生募集 |
| 3 | 作品展示のお知らせ |
| 4 | クラス連絡画像 |
| 5 | アルバイト先のキャンペーン案 |
| 6 | ポートフォリオ公開のお知らせ |
| 7 | 自分で決めたテーマ |
提出するもの
1. 作りたい告知画像のテーマ
2. 後から入れる文字情報
3. 背景画像生成プロンプト
4. 生成した背景画像
5. 改善プロンプト
6. 改善後の背景画像
7. 文字を入れた完成画像
8. 文字を後から入れて良かった点
9. まだ直したい点
提出テンプレート
作りたい告知画像のテーマ:
使う場所:
後から入れる文字情報:
背景画像生成プロンプト:
生成した背景画像を見て良かった点:
生成した背景画像で気になった点:
改善プロンプト:
文字を入れた完成画像:
文字を後から入れて良かった点:
まだ直したい点:
15. この節のまとめ
この節では、テキスト入り画像を作るときの注意点を学びました。
大切なポイントは、次の通りです。
- 画像生成AIに正確な日本語文字を直接入れさせると、崩れることがある。
- 日時、場所、価格、URL、QRコードなどは人間が確認して後から入れる。
- AIには、まず文字を入れやすい背景画像を作らせる。
- 上部、中央、下部の役割を分けると、縦長告知画像が作りやすい。
- 文字を入れるためには、余白が必要。
- ストーリーズでは、上下左右のセーフエリアを意識する。
- 背景と文字の色に差をつけると読みやすい。
- 告知画像には情報を詰め込みすぎない。
- 詳しい説明は投稿文や本文に回す。
- 文字を後から入れることで、見た目と正確さを両立できる。
次の節では、画像を公開・提出する前に確認すべきポイントを学びます。
画像生成AIで作った画像をそのまま使うのではなく、変な文字、不自然な表現、権利面、誤解を招く情報がないかをチェックする方法を整理します。