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この章の目標
この章では、Hermes Agentを自分のPCにインストールし、起動確認まで行います。今回の授業では、LLMの実行環境としてLM Studioを使います。Next.jsで作るWebアプリから、ローカルPC上のLLMに接続する流れを前提に進めます。
この章のゴールは、次の3つです。1つ目は、Hermes Agentをインストールできること。2つ目は、hermes コマンドが使えることを確認できること。3つ目は、LM Studioで起動したローカルLLMを、Hermes AgentやNext.jsから使うイメージを持つことです。
今回の全体像
今回の授業では、次の構成を目指します。
| 役割 | 使うもの | 内容 |
|---|---|---|
| Webアプリ | Next.js | ユーザーが操作する画面を作る |
| AIエージェント | Hermes Agent | AIに作業を進めさせる |
| LLM実行環境 | LM Studio | ローカルPCでLLMを動かす |
| LLM | Qwen、Gemma、Llamaなど | AIの頭脳として使う |
| 接続方式 | OpenAI互換API | http://localhost:1234/v1 に接続する |
ここで大切なのは、Hermes AgentとLM Studioの役割を分けて理解することです。Hermes Agentは作業を進めるエージェントです。LM StudioはLLMを動かすアプリです。LLMは文章を考える頭脳です。
インストール前に確認すること
Hermes Agentを入れる前に、次の3つを確認します。
| 確認項目 | コマンド | 目的 |
|---|---|---|
| Node.js | node -v | Next.jsを動かすため |
| npm | npm -v | Next.jsや開発ツールを使うため |
| Git | git --version | プログラム取得や開発で使うため |
ターミナルを開いて、次のコマンドを実行します。
node -v
npm -v
git --version
バージョン番号が表示されれば、準備はできています。表示されない場合は、Node.jsやGitがまだ入っていない可能性があります。
LM Studioを先に起動しておく
この授業では、LLM実行環境としてLM Studioを使います。Hermes Agentをインストールする前に、LM Studio側でモデルを1つ読み込み、Local Serverを起動できる状態にしておきます。
LM Studioで行うことは次の通りです。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | LM Studioを起動する |
| 2 | 自分のPCに合うLLMをダウンロードする |
| 3 | モデルを読み込む |
| 4 | Local Serverを開く |
| 5 | Serverを起動する |
| 6 | 接続先URLを確認する |
授業で使う接続先は、基本的に次のURLです。
http://localhost:1234/v1
localhost は、自分のPC自身を表します。インターネット上の外部サイトではなく、自分のPCの中で動いているLM Studioに接続するための住所です。
Hermes Agentのインストール方法を選ぶ
Hermes Agentには、大きく分けて2つのインストール方法があります。
| 方法 | 向いている人 | 内容 |
|---|---|---|
| Hermes Desktopインストーラー | 初心者、授業向け | 画面操作でインストールしやすい |
| CLIのみのインストール | ターミナルに慣れている人 | コマンドだけで導入する |
今回の授業では、初心者向けなのでHermes Desktopインストーラーを推奨します。理由は、画面で進められるため、途中で何をしているのか確認しやすいからです。
ただし、Next.js開発ではターミナルも使います。そのため、最終的には hermes コマンドが使えるかどうかも確認します。
方法A Hermes Desktopインストーラーで入れる
初心者は、まずHermes Desktopインストーラーを使います。
手順は次の通りです。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | Hermes Agent公式サイトを開く |
| 2 | 自分のOSに合うインストーラーをダウンロードする |
| 3 | インストーラーを実行する |
| 4 | 画面の案内に沿って進める |
| 5 | インストール完了後、Hermes Desktopを起動する |
| 6 | ターミナルで hermes コマンドを確認する |
インストールが終わったら、ターミナルで次のコマンドを実行します。
hermes --help
ヘルプが表示されれば、hermes コマンドが使える状態です。
方法B CLIのみで入れる
ターミナルに慣れている人は、CLIのみのインストールもできます。公式ドキュメントでは、Hermes Desktopを使わずにコマンドラインのみでインストールする方法も案内されています。
授業では、初心者は無理にCLIのみで入れる必要はありません。まずはHermes Desktopインストーラーを使ってください。CLIのみの導入は、仕組みを理解した後で十分です。
CLIインストールを使う場合は、必ず公式ドキュメントに掲載されている最新のコマンドを確認します。インストールコマンドは更新される可能性があるため、古い記事のコマンドをそのまま貼り付けないでください。
初期セットアップを行う
Hermes Agentをインストールしたら、初期セットアップを行います。
hermes setup
このコマンドでは、Hermes Agentの基本設定を行います。画面に質問が表示された場合は、内容を読んで進めます。分からない項目が出た場合は、適当に選ばず、授業内で確認します。
今回の授業では、LLM実行環境としてLM Studioを使います。そのため、ローカルのOpenAI互換APIに接続する考え方を使います。
LLMプロバイダーを設定する
Hermes Agentが回答を作るには、LLMが必要です。今回はLM StudioでLLMを動かすため、Hermes Agent側からLM StudioのLocal Serverに接続できるようにします。
LM Studioの接続先は、基本的に次のURLです。
http://localhost:1234/v1
これはOpenAI互換APIとして扱います。つまり、OpenAI APIに接続するような形式で、ローカルのLM Studioに接続するイメージです。
設定時にBase URLを聞かれた場合は、次の値を使います。
http://localhost:1234/v1
APIキーを聞かれた場合、LM Studioのローカル接続では授業用にダミー値を使う場合があります。
lm-studio
ただし、クラウドLLMを使う場合は本物のAPIキーが必要です。APIキーは秘密情報です。GitHub、SNS、共有資料、画面共有中のターミナルに表示しないでください。
モデルを選ぶ
Hermes Agentの設定中、モデル名を指定する場面があります。モデル名は、LM Studioで読み込んでいるモデル名に合わせます。
授業では、まず軽めのモデルを使います。
| PCのメモリ | 最初に試すモデル規模 |
|---|---|
| 8GB | 1B〜3B |
| 16GB | 3B〜7B |
| 32GB | 7B〜14B |
| 64GB以上 | 14B以上 |
大きいモデルを選ぶと、回答が遅くなったり、PCが重くなったりします。最初は「高性能そうなモデル」ではなく、「自分のPCで安定して動くモデル」を選びます。
Hermes Agentを起動する
初期設定が終わったら、Hermes Agentを起動します。
hermes
起動後、簡単な質問を入力します。
あなたができることを初心者向けに説明してください。
返答が返ってくれば、Hermes AgentがLLMと接続できています。
返答が返ってこない場合は、次の項目を確認します。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| LM Studio | 起動しているか |
| モデル | Loadされているか |
| Local Server | Startされているか |
| Base URL | http://localhost:1234/v1 になっているか |
| モデル名 | LM Studioで読み込んだ名前と合っているか |
| PC負荷 | モデルが重すぎないか |
Next.jsから使う準備
この授業では、Hermes Agentを単体で使って終わりにはしません。Next.jsで小さなAIシステムを作るため、Next.js側からLM Studioに接続する準備も行います。
まず、Next.jsプロジェクトを作成します。
npx create-next-app@latest hermes-next-app
作成したフォルダに移動します。
cd hermes-next-app
開発サーバーを起動します。
npm run dev
ブラウザで次のURLを開きます。
http://localhost:3000
画面が表示されれば、Next.js側の準備はできています。
.env.localを用意する
Next.jsからLM Studioに接続するために、環境変数を使います。
プロジェクト直下に .env.local を作成します。
LM_STUDIO_BASE_URL=http://localhost:1234/v1
LM_STUDIO_MODEL=your-model-name
your-model-name は、LM Studioで読み込んでいるモデル名に置き換えます。
環境変数を変更したら、Next.jsの開発サーバーを再起動します。
npm run dev
.env.local は秘密情報を含むことがあります。GitHubにアップロードしないでください。
接続確認の考え方
この時点で、次の2つの接続を確認します。
| 接続 | 確認内容 |
|---|---|
| Hermes Agent → LM Studio | hermes で質問に返答があるか |
| Next.js → LM Studio | Next.jsのAPI Routeから返答を取得できるか |
最初は、Hermes AgentからLM Studioにつながることを確認します。その後、Next.jsからLM Studioにつなぎます。いきなり両方を同時に確認すると、エラーの原因が分かりにくくなります。
よくあるエラー
hermesコマンドが見つからない
command not found: hermes
これは、Hermes Agentが正しくインストールされていないか、hermes コマンドへのパスが通っていない可能性があります。まずターミナルを再起動します。それでも解決しない場合は、インストール手順を再確認します。
LM Studioにつながらない
connection refused
この場合、LM StudioのLocal Serverが起動していない可能性があります。LM StudioでモデルをLoadし、Local ServerをStartしてください。
モデル名が違う
model not found
モデル名がLM Studio側と一致していない可能性があります。LM Studioの画面で、現在読み込んでいるモデル名を確認します。
回答が遅い
モデルがPCに対して重すぎる可能性があります。3B〜7B程度の軽いモデルに変更します。授業中は、回答品質よりも安定して動くことを優先します。
localhostの番号が違う
LM Studioは通常 1234 番ポートを使います。ただし、設定によって変わることがあります。必ずLM StudioのLocal Server画面で表示されているURLを確認します。
危険な操作を避ける
AIエージェントは便利ですが、設定次第ではファイル操作やコマンド実行にも関係します。初心者講座では、意味の分からないコマンドを実行しないことが重要です。
特に、削除に関係するコマンドは扱いません。
rm -rf
このようなコマンドは、ファイル削除につながる可能性があります。AIが提案してきた場合でも、意味を確認するまでは実行しません。
確認する時は、次のように聞きます。
このコマンドが何をするのか、初心者向けに1行ずつ説明してください。危険な操作が含まれる場合は、実行しないでください。
授業内の作業手順
授業では、次の順番で進めます。
| 順番 | 作業 |
|---|---|
| 1 | Node.js、npm、Gitを確認する |
| 2 | LM Studioを起動する |
| 3 | 軽めのLLMを読み込む |
| 4 | LM StudioのLocal Serverを起動する |
| 5 | Hermes Agentをインストールする |
| 6 | hermes --help を確認する |
| 7 | hermes setup を実行する |
| 8 | LM Studioの接続先を設定する |
| 9 | hermes を起動する |
| 10 | 簡単な質問をして返答を確認する |
| 11 | Next.jsプロジェクトを作る |
| 12 | .env.local にLM Studio接続情報を書く |
この順番で進めると、どこで問題が起きたのか確認しやすくなります。
チャレンジ
次の作業を行ってください。
課題1 インストール確認
ターミナルで次のコマンドを実行してください。
hermes --help
表示された内容を確認し、Hermes Agentが使える状態か判断してください。
課題2 LM Studioの確認
LM StudioでLocal Serverを起動し、接続先URLを確認してください。
http://localhost:1234/v1
課題3 Hermes Agentから質問する
Hermes Agentを起動します。
hermes
次の質問を入力してください。
あなたはNext.jsの初心者向け授業アシスタントです。できることを3つだけ説明してください。
課題4 Next.js側の準備
Next.jsプロジェクトを作成してください。
npx create-next-app@latest hermes-next-app
作成したフォルダに移動してください。
cd hermes-next-app
開発サーバーを起動してください。
npm run dev
ブラウザで確認してください。
http://localhost:3000
課題5 構成を説明する
次の構成を、自分の言葉で説明してください。
ユーザー
↓
Next.js
↓
Hermes Agent
↓
LM Studio
↓
ローカルLLM
この章のまとめ
この章では、Hermes Agentをインストールし、LM StudioのローカルLLMと接続する準備を行いました。授業では、LM Studioを初心者向け・テスト向けのLLM実行環境として使います。Ollamaは、並列処理や実務運用に進む段階で扱う候補です。
今回のポイントは、Hermes Agent、Next.js、LM Studio、LLMの役割を分けて理解することです。Next.jsは画面とシステムを作ります。Hermes AgentはAIエージェントとして作業の流れを支援します。LM StudioはローカルLLMを動かします。LLMはAIの頭脳です。
次の章では、Next.jsからLM Studioに接続し、ローカルLLMを使った小さなAIシステムを作ります。