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1. 前回の復習
前回は、ゲームの面白さは迷いから生まれる、という話をしました。
たとえば、次のような迷いです。
| 迷いの種類 | 例 |
|---|---|
| 攻める/守る | 今点を取りに行くか、防御するか |
| 安全/危険 | 確実に進むか、失敗覚悟で大きく狙うか |
| 今使う/後で使う | アイテムを今使うか、最後まで残すか |
| 自分を強くする/相手をじゃまする | 自分の点を増やすか、相手を妨害するか |
添付スライドでは、3枚目で「面白さは『迷い』から生まれる」、4枚目で「つまらないゲームを変えてみる」という流れになっています。今日はこの4枚目の考え方を使い、サイコロやじゃんけんを題材にして、実際にルールをカスタマイズしていきます。
2. 今日のミッション
今日のミッションは、シンプルすぎるゲームを、少しだけ面白く変えることです。
最初からすごいゲームを作らなくて大丈夫です。
今日やるのは、ルールの小さなカスタマイズです。
| 今日作るもの | 内容 |
|---|---|
| 改善前のゲーム | つまらない元ルール |
| 改善したルール | 選択・リスク・報酬・逆転を入れたルール |
| 遊んだ感想 | 実際に試してどうだったか |
| 改善理由 | なぜ面白くなったと思うか |
3. 元のサイコロゲームを確認する
まず、つまらないゲームを見てみます。
元のルール
サイコロを1回振る。
一番大きい数字を出した人が勝ち。
これでも一応ゲームです。
でも、考えることはほとんどありません。
ただ振るだけです。
運まかせ。あっという間に終わります。
どこが弱いか
| 弱いところ | 理由 |
|---|---|
| 選択がない | プレイヤーが決める場面がない |
| リスクがない | 失敗しても大きな変化がない |
| 報酬が弱い | 成功したときのうれしさが小さい |
| 逆転がない | 一度負けると盛り上がりにくい |
| 作戦がない | 「次はこうしよう」が生まれにくい |
ここから、少しずつ面白くしていきます。
4. 面白くする4つの部品
つまらないゲームを面白くするときは、まずこの4つを使います。
| 部品 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 選択 | プレイヤーが選べる | 安全に行くか、勝負するか |
| リスク | 失敗すると損をする | 1が出たら0点 |
| 報酬 | 成功すると得をする | 成功したら3点 |
| 逆転 | 負けていても勝てる | 最下位だけ追加チャンス |
全部入れる必要はありません。
まずは1つだけ入れても大丈夫です。
5. 実習①|じゃんけんを少し面白くする
まずは、みんなが知っているじゃんけんで練習します。
元のルール
普通にじゃんけんをする。
勝った人が1点。
3点先取で勝ち。
これはわかりやすいですが、少し普通です。
ここに、ルールを1つ足してみます。
改善例A|宣言じゃんけん
じゃんけんをする前に、
「攻める」か「守る」を宣言する。
攻める:勝ったら2点、負けたら相手に2点。
守る:勝ったら1点、負けても相手は1点。
何が面白くなるか
| 追加されたもの | 内容 |
|---|---|
| 選択 | 攻めるか守るか選べる |
| リスク | 攻めて負けると痛い |
| 報酬 | 攻めて勝つと大きい |
| 迷い | 今勝負するか、安全に行くか悩む |
改善例B|必殺技じゃんけん
1ゲームに1回だけ「必殺技」を使える。
必殺技を宣言して勝つと3点。
負けると0点。
あいこなら必殺技は消える。
何が面白くなるか
| 追加されたもの | 内容 |
|---|---|
| 今使う/後で使う | 必殺技のタイミングを考える |
| リスク | 失敗するとチャンスを失う |
| 報酬 | 成功すると一気に有利 |
| 盛り上がり | 宣言した瞬間に空気が変わる |
チームワーク
次の中から1つ選び、じゃんけんを面白くしてください。
| 追加するもの | 例 |
|---|---|
| 攻める/守る | 勝った時の点数を変える |
| 必殺技 | 1回だけ強い効果を使える |
| 逆転 | 負けている人だけ追加効果 |
| チーム戦 | 2対2で相談して出す |
| アイテム | 1回だけ相手の手を見られる |
記入テンプレート
私たちのじゃんけんルールは、〇〇じゃんけんです。
追加したルールは、〇〇です。
面白くなる理由は、
〇〇するか、〇〇するかで迷うからです。
6. 実習②|サイコロゲームを面白くする
次はサイコロです。
元のルール
サイコロを1回振る。
一番大きい数字を出した人が勝ち。
これは、ほぼ運だけです。
ここに、選択・リスク・報酬を入れます。
改善例A|安全コース・危険コース
サイコロを振る前に、コースを選ぶ。
安全コース:
サイコロを1回振る。
出た目がそのまま点数。
危険コース:
サイコロを2回振る。
合計点が点数になる。
ただし、1が出たら0点。
面白くなる理由
| 部品 | 内容 |
|---|---|
| 選択 | 安全か危険か選べる |
| リスク | 1が出たら0点 |
| 報酬 | 2回振れるので高得点を狙える |
| 迷い | 勝負するか、安定を取るか悩む |
改善例B|ストップサイコロ
サイコロを何回でも振れる。
出た目を合計していく。
ただし、1が出たら合計点は0。
自分の好きなタイミングで「ストップ」と言える。
ストップした時点の点数が自分の得点。
面白くなる理由
| 部品 | 内容 |
|---|---|
| 選択 | もう1回振るか、やめるか選べる |
| リスク | 1が出たら0点 |
| 報酬 | 振り続けるほど高得点 |
| 迷い | 欲張るか、止めるか悩む |
これはかなり使いやすいです。
短時間で盛り上がります。
改善例C|逆転サイコロ
3ラウンド行う。
毎回サイコロを振って点を集める。
ただし、最下位の人は次のラウンドだけ、
サイコロを2回振って好きな方を選べる。
面白くなる理由
| 部品 | 内容 |
|---|---|
| 逆転 | 負けている人にチャンスがある |
| 選択 | 2つの出目から選べる |
| 盛り上がり | 最後まで結果がわからない |
7. 実習③|カードなしでできるミニゲームを作る
次は、紙とペンだけでできるゲームです。
お題:数字バトル
元のルール
1〜5の数字を同時に出す。
大きい数字を出した人が勝ち。
これだけだと、ほぼ「大きい数字を出せばいい」になります。
そこで、ルールを足します。
改善例|数字は1回ずつしか使えない
1〜5の数字を、それぞれ1回ずつしか使えない。
5回勝負をする。
大きい数字を出した人が1点。
合計点が高い人の勝ち。
面白くなる理由
| 部品 | 内容 |
|---|---|
| 制限 | 同じ数字を何度も使えない |
| 選択 | 強い数字をいつ使うか迷う |
| 読み合い | 相手が何を出すか考える |
| 作戦 | 弱い数字を捨てる場面がある |
さらに改善するなら
1だけ特別ルールをつける。
1は5にだけ勝てる。
これで、弱い数字にも意味が出ます。
| 数字 | 役割 |
|---|---|
| 5 | 強いが、1に負ける |
| 1 | 普段は弱いが、5に勝てる |
| 2〜4 | 読み合いに使う |
少しだけ、じゃんけんに近くなります。
こういう小さなひねりで、ゲームは急に化けます。
8. 実習④|チームで改善版を作る
ここからチーム制作です。
次の中から1つ選んで、改善版を作ってください。
お題を選ぶ
| 番号 | 元ゲーム | 元ルール |
|---|---|---|
| 1 | じゃんけん | 勝ったら1点 |
| 2 | サイコロ | 大きい数字が勝ち |
| 3 | 数字バトル | 大きい数字が勝ち |
| 4 | コイン表裏 | 表が出たら勝ち |
| 5 | あみだくじ | 当たりを引いた人が勝ち |
入れる部品を選ぶ
| 部品 | 入れるなら |
|---|---|
| 選択 | プレイヤーが選べる場面を作る |
| リスク | 失敗すると損をする |
| 報酬 | 成功すると得をする |
| 逆転 | 負けている人にチャンスを作る |
| 制限 | 回数、時間、使える手を制限する |
| 読み合い | 相手の行動を予想させる |
チーム用ワークシート
【元のゲーム】
〇〇
【元のルール】
〇〇
【つまらない理由】
〇〇
【追加する部品】
選択 / リスク / 報酬 / 逆転 / 制限 / 読み合い
【改善したルール】
〇〇
【どこで迷うか】
〇〇するか、〇〇するかで迷う。
【面白くなる理由】
〇〇だから。
9. 試しに遊ぶ
作ったら、すぐ遊びます。
完璧に説明できなくても大丈夫です。
まず試す。そこで問題を見つけます。
テストプレイの流れ
| 順番 | やること |
|---|---|
| 1 | ルールを1分以内で説明する |
| 2 | 3分だけ遊ぶ |
| 3 | 迷った場面を記録する |
| 4 | 盛り上がった場面を記録する |
| 5 | わかりにくかった点を記録する |
見るポイント
| 見ること | チェック |
|---|---|
| すぐ遊べたか | 説明が長すぎないか |
| 迷う場面があったか | 選択が本当にあるか |
| 盛り上がったか | 成功・失敗で反応が出たか |
| 運だけになっていないか | 判断する場面があるか |
| もう1回やりたいか | 繰り返し遊べそうか |
10. 改善理由を書く
最後に、ただ「面白くなった」で終わらせず、理由を書きます。
ここが大事です。
理由を書けると、次に別のゲームを作るときも使えます。
書くこと
私たちは、元のゲームに〇〇を追加しました。
その結果、プレイヤーは
〇〇するか、〇〇するかで迷うようになりました。
だから、元のゲームより面白くなったと思います。
記入例
私たちは、元のサイコロゲームに「安全コース」と「危険コース」を追加しました。
その結果、プレイヤーは
確実に点を取るか、高得点を狙うかで迷うようになりました。
だから、ただサイコロを振るだけのゲームより面白くなったと思います。
今日のゴールチェック
最後に、ここまでできていればOKです。
| チェック | 内容 |
|---|---|
| □ | 元のゲームのつまらない理由を言える |
| □ | 選択・リスク・報酬・逆転のどれかを入れられた |
| □ | 改善版をチームで作れた |
| □ | 実際に遊んで試せた |
| □ | なぜ面白くなったかを書けた |
全部きれいにできなくても大丈夫です。
今日一番大事なのは、これです。
面白いゲームは、最初から完成しているわけではない。
遊んで、気づいて、少し直す。
今日のまとめ
つまらないゲームでも、ルールを少し変えるだけで面白くなります。
特に使いやすいのは、この4つです。
| 部品 | 効果 |
|---|---|
| 選択 | 自分で決める感じが出る |
| リスク | ドキドキする |
| 報酬 | 成功したときにうれしい |
| 逆転 | 最後まであきらめなくなる |
じゃんけんも、サイコロも、数字バトルも、もともとはとてもシンプルです。
でも、少しルールを足すだけで、考えるゲームになります。
ゲーム作りは、派手なアイデア勝負だけではありません。
小さな違和感を見つけて、少し直す。そこから始まります。
次回やること
次回は、今日の練習を使って、オリジナルゲームの骨組みを作ります。
決めるのは、次のようなことです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 人数 | 何人で遊ぶか |
| 目的 | 何を目指すか |
| 行動 | 何ができるか |
| 得点 | どう点を取るか |
| リスク | 何に失敗するか |
| 勝利条件 | どうなったら勝ちか |
今日の改善ルールは、次回のゲーム作りの材料になります。
捨てずに残しておいてください。