CONTENT
ここから
1. ルールは部品で考える
「面白いゲームを作ってください」と言われると、かなり難しいです。
でも、ゲームを部品に分けると、考えやすくなります。
料理でいうと、いきなり完成品を作るのではなく、材料を並べる感じです。
ゲームの部品
| 部品 | 考えること |
|---|---|
| 人数 | 何人で遊ぶか |
| 目的 | 何を目指すか |
| 行動 | プレイヤーは何ができるか |
| 得点 | どうやって点を取るか |
| リスク | 失敗すると何が起きるか |
| 制限 | 回数、時間、手札など |
| 逆転要素 | 負けていても勝てる仕組み |
| 勝利条件 | どうなったら勝ちか |
今日は、この中でも特に大事なものから決めます。
人数、目的、行動、得点、リスク、勝利条件。
まずはこの6つです。
全部を完璧にしなくて大丈夫です。
空欄があっても、あとで直せます。
2. 人数を決める
まず、何人で遊ぶゲームにするか決めます。
人数が変わると、ゲームの雰囲気も変わります。
| 人数 | 向いているゲーム |
|---|---|
| 2人 | 対戦、読み合い、じゃんけん系 |
| 3〜4人 | サイコロ、カード、順位争い |
| 5人以上 | パーティーゲーム、協力ゲーム、正体隠し風 |
今回の授業では、2〜4人で遊べるゲームがおすすめです。
人数が多すぎると、待ち時間が長くなります。
ワーク①|人数を決める
チームで相談して、人数を決めてください。
このゲームは、__人で遊びます。
決めるときのコツ
| チェック | 内容 |
|---|---|
| □ | 授業中にすぐ遊べる人数か |
| □ | 待ち時間が長すぎないか |
| □ | 全員が何かできるか |
| □ | 説明が複雑になりすぎないか |
迷ったら、2〜4人にしてください。
一番作りやすいです。
3. 目的を決める
次に、プレイヤーが何を目指すゲームなのかを決めます。
目的がないと、プレイヤーは何をすればよいかわかりません。
目的の例
| 目的 | ゲームの雰囲気 |
|---|---|
| 一番多く点を取る | わかりやすい対戦ゲーム |
| 先にゴールする | すごろく系 |
| 宝を集める | 探索ゲーム |
| 相手より長く生き残る | サバイバル系 |
| チームで目標を達成する | 協力ゲーム |
| 正体を当てる | 推理・会話ゲーム |
初心者の方は、まずはこれがおすすめです。
一番多く点を取った人が勝ち。
シンプルですが、作りやすいです。
ワーク②|目的を決める
このゲームの目的は、____することです。
記入例
このゲームの目的は、3ラウンドで一番多く点を取ることです。
このゲームの目的は、相手より先に宝を3つ集めることです。
このゲームの目的は、制限時間内にチームで10点集めることです。
4. 行動を決める
次に、プレイヤーが何をできるかを決めます。
ここがゲームらしさの中心です。
行動の例
| 行動 | 使いやすいゲーム |
|---|---|
| サイコロを振る | 運とリスクのゲーム |
| カードを引く | イベントやアイテムのゲーム |
| 数字を選ぶ | 読み合いゲーム |
| じゃんけんをする | 短時間の対戦ゲーム |
| 進む/戻る | すごろく系 |
| 攻撃する/守る | バトル系 |
| 交換する | 交渉・駆け引き系 |
| パスする | 今動くか待つか迷わせる |
行動は多すぎると難しくなります。
最初は、1ターンにできることを2つまでにしてください。
ワーク③|行動を決める
プレイヤーは、自分の番に____できます。
記入例
プレイヤーは、自分の番にサイコロを振るか、アイテムを使うことができます。
プレイヤーは、自分の番に攻めるか、守るかを選べます。
プレイヤーは、自分の番に数字を1つ選んで出します。
行動チェック
| チェック | 内容 |
|---|---|
| □ | 何をするかすぐわかる |
| □ | 1ターンが長すぎない |
| □ | 選ぶ場面がある |
| □ | 迷いが生まれそう |
| □ | 道具が少なくてもできる |
5. 得点を決める
次に、どうやって点が入るかを決めます。
得点は、プレイヤーの「やる理由」になります。
得点方法の例
| 得点方法 | 内容 |
|---|---|
| 勝ったら1点 | わかりやすい |
| 成功したら3点 | 報酬が大きい |
| 危険な行動ほど高得点 | 迷いが生まれる |
| 連続成功でボーナス | 盛り上がる |
| 相手を止めたら得点 | 駆け引きが生まれる |
| 最後だけ得点が2倍 | 逆転が起きやすい |
初心者向けには、これが使いやすいです。
安全な行動:1点
危険な行動:成功したら3点、失敗したら0点
これだけで、かなりゲームらしくなります。
ワーク④|得点を決める
このゲームでは、____すると__点もらえます。
記入例
このゲームでは、安全コースを選ぶと1点もらえます。
危険コースを選んで成功すると3点もらえます。
このゲームでは、じゃんけんに勝つと1点もらえます。
ただし、攻めるを選んで勝つと2点もらえます。
このゲームでは、相手の数字を当てると2点もらえます。
6. リスクを決める
リスクとは、失敗したときに起きることです。
リスクがあると、プレイヤーは迷います。
「やるか、やめるか」を考えるようになります。
リスクの例
| リスク | 内容 |
|---|---|
| 点が0になる | わかりやすい |
| 1回休み | 少し重い |
| 手札を失う | カード系に使いやすい |
| 相手に点が入る | 対戦で盛り上がる |
| 持っている点が半分になる | 強いリスク |
| 次の行動が制限される | 戦略が出る |
最初は軽いリスクで十分です。
おすすめはこの3つです。
| おすすめリスク | 理由 |
|---|---|
| 失敗したら0点 | わかりやすい |
| 失敗したら相手に1点 | 対戦で盛り上がる |
| 失敗したら次の番は安全行動だけ | 少し戦略が出る |
ワーク⑤|リスクを決める
ただし、____すると____になります。
記入例
ただし、サイコロで1が出ると0点になります。
ただし、攻めるを選んで負けると、相手に2点入ります。
ただし、予想が外れると次の番は安全コースしか選べません。
リスクは強すぎると、誰も挑戦しなくなります。
弱すぎると、迷いが生まれません。
ほどよく怖い。
これが大事です。
7. 勝利条件を決める
勝利条件とは、どうなったらゲームが終わって、誰が勝つかです。
ここが曖昧だと、ゲームが終わりません。
勝利条件の例
| 勝利条件 | 向いているゲーム |
|---|---|
| 先に10点取った人が勝ち | 得点ゲーム |
| 3ラウンド後に一番点が高い人が勝ち | 短時間ゲーム |
| ゴールに先に着いた人が勝ち | すごろく |
| 宝を3つ集めた人が勝ち | 収集ゲーム |
| 最後まで残った人が勝ち | サバイバル |
| チームで10点集めたら成功 | 協力ゲーム |
90分授業では、これがおすすめです。
3ラウンド行い、合計点が一番高い人が勝ち。
理由は、終わりが見えやすいからです。
長引きません。
ワーク⑥|勝利条件を決める
____した人が勝ちです。
記入例
3ラウンド後に、合計点が一番高い人が勝ちです。
先に10点取った人が勝ちです。
宝カードを3枚集めた人が勝ちです。
8. 3〜5分で遊べる形にする
ここまでで、だいたいゲームの形ができました。
ただし、授業で扱うゲームは短い方が良いです。
長すぎると、試して直す時間がなくなります。
短くするコツ
| 長くなる原因 | 短くする方法 |
|---|---|
| ラウンドが多い | 3ラウンドにする |
| 点数が高すぎる | 目標点を5〜10点にする |
| 選択肢が多すぎる | 2択にする |
| 説明が長い | ルールを1つ削る |
| 待ち時間が長い | 同時に出すルールにする |
おすすめの形
人数:2〜4人
時間:3〜5分
ラウンド:3回
行動:1ターンに1つ
選択肢:2つまで
勝利条件:合計点が一番高い人
ワーク⑦|短くする
チームのルールを見て、長そうな部分を1つ削ってください。
削るルール:____
削る理由:____
記入例
削るルール:アイテムカードを3種類から1種類にする
削る理由:説明が長くなるから
増やすより、削る。
ここでゲームは締まります。
9. 説明を1分以内にまとめる
良いゲームでも、説明が長すぎると遊ぶ前に疲れます。
今回の目標は、1分以内で説明できるルールです。
1分説明テンプレート
このゲームは、__人で遊びます。
目的は、____することです。
自分の番に、____できます。
____すると点が入ります。
ただし、____すると失敗です。
最後は、____した人が勝ちです。
記入例
このゲームは、2〜4人で遊びます。
目的は、3ラウンドで一番多く点を取ることです。
自分の番に、安全コースか危険コースを選びます。
安全コースは、サイコロを1回振って出た目が点数になります。
危険コースは、サイコロを2回振って合計できます。
ただし、1が出たら0点です。
3ラウンド後に、合計点が一番高い人が勝ちです。
ワーク⑧|1分説明チャレンジ
チームの中で1人が説明します。
他の人は聞いて、チェックします。
| チェック | 内容 |
|---|---|
| □ | 1分以内だった |
| □ | 何をすればよいかわかった |
| □ | 点の取り方がわかった |
| □ | 失敗条件がわかった |
| □ | 勝ち方がわかった |
1分を超えたら、ルールを削ります。
説明が短くなると、遊びやすくなります。
10. AI相談用メモを作る
次回は、今日作ったゲームをAIに相談します。
でも、何も整理せずにAIへ聞くと、ぼんやりした答えになりやすいです。
なので、今日はAI相談用メモを作って終わります。
AIに渡す材料
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作りたい体験 | どんな気持ちになってほしいか |
| 今のルール | 現在のゲーム内容 |
| 困っていること | 弱いところ |
| 欲しい案 | AIに何を考えてほしいか |
AI相談用メモテンプレート
私たちは、3〜5分で遊べるゲームを作っています。
【作りたい体験】
____な気持ちになるゲームにしたいです。
【人数】
__人で遊びます。
【目的】
____することです。
【できる行動】
プレイヤーは、____できます。
【得点方法】
____すると、__点もらえます。
【リスク】
ただし、____すると、____になります。
【勝利条件】
____した人が勝ちです。
【困っていること】
今のルールの弱いところは、____です。
【AIに相談したいこと】
____を改善する案を3つ出してほしいです。
記入例
私たちは、3〜5分で遊べるゲームを作っています。
【作りたい体験】
最後まで逆転できて、友達同士で盛り上がるゲームにしたいです。
【人数】
2〜4人で遊びます。
【目的】
3ラウンドで一番多く点を取ることです。
【できる行動】
プレイヤーは、安全コースか危険コースを選べます。
【得点方法】
安全コースは、サイコロを1回振って出た目が点数になります。
危険コースは、サイコロを2回振って合計できます。
【リスク】
ただし、危険コースで1が出ると0点になります。
【勝利条件】
3ラウンド後に、合計点が一番高い人が勝ちです。
【困っていること】
逆転要素が少ないところです。
【AIに相談したいこと】
負けている人も最後まで楽しめる改善案を3つ出してほしいです。
今日のゴールチェック
ここまでできていればOKです。
| チェック | 内容 |
|---|---|
| □ | 人数を決めた |
| □ | 目的を決めた |
| □ | 行動を決めた |
| □ | 得点方法を決めた |
| □ | リスクを決めた |
| □ | 勝利条件を決めた |
| □ | 3〜5分で遊べる形にした |
| □ | 1分以内で説明できた |
| □ | AI相談用メモを作った |
全部完璧でなくて大丈夫です。
今日の時点では、AIに相談できる材料ができていれば合格です。
今日のまとめ
ゲームを作るときは、いきなり「すごいアイデア」を考えなくても大丈夫です。
人数を決める。
目的を決める。
行動を決める。
得点を決める。
リスクを決める。
勝利条件を決める。
この順番で考えると、自然にゲームの形が見えてきます。
大切なのは、小さく作ることです。
3〜5分で遊べるくらいのサイズにすると、試しやすくなります。
試しやすいゲームは、直しやすいです。
ゲーム制作は、最初から名作を作る作業ではありません。
遊べる形にして、少しずつ良くしていく作業です。
次回やること
次回は、今日作ったAI相談用メモを使って、AIに改善案を出してもらいます。
ただし、AIの案を全部入れるわけではありません。
次回の大事な流れは、これです。
自分たちの案をAIに説明する
↓
AIから改善案をもらう
↓
採用・保留・不採用に分ける
↓
チームで選ぶ
↓
ルールを直す