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1. AIに聞く前に整理する
AIを使うときに、最初からこう聞いてしまうことがあります。
面白いゲームにしてください。
これでも何かは返ってきます。
でも、かなりふわっとした案になりやすいです。
なぜなら、AIにはまだ情報が足りないからです。
AIに相談するときは、次の4つを先に整理します。
| 整理すること | 内容 |
|---|---|
| 目的 | どんなゲームにしたいか |
| 今のルール | 現在のゲームの形 |
| 困っていること | 弱いところ、直したいところ |
| 欲しい案 | AIに何を提案してほしいか |
まず、ここをチームで埋めます。
2. 目的を書く
目的とは、遊んだ人にどんな体験をしてほしいかです。
ゲームの目的がはっきりしていると、AIの案を選びやすくなります。
目的の例
| 作りたい体験 | 例 |
|---|---|
| ドキドキする | 危険だけど高得点を狙えるゲーム |
| 逆転できる | 最後まで勝敗がわからないゲーム |
| 笑える | 予想外のイベントが起きるゲーム |
| 読み合う | 相手の行動を予想するゲーム |
| 協力する | チームで目標を達成するゲーム |
| スピード感がある | 短時間でテンポよく進むゲーム |
ワーク①|目的を書く
私たちは、____なゲームにしたいです。
記入例
私たちは、最後まで逆転できて、友達同士で盛り上がるゲームにしたいです。
私たちは、相手の行動を読むのが楽しいゲームにしたいです。
私たちは、失敗しても笑えるゲームにしたいです。
ここは短くて大丈夫です。
大事なのは、チームの方向を決めることです。
3. 今のルールを書く
次に、今のルールを書きます。
AIに相談するときは、今どんなゲームなのかを伝えないと、良い改善案が出にくくなります。
書く項目
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 人数 | 何人で遊ぶか |
| 目的 | 何を目指すか |
| 行動 | プレイヤーは何ができるか |
| 得点方法 | どうやって点を取るか |
| リスク | 失敗するとどうなるか |
| 勝利条件 | どうなったら勝ちか |
ワーク②|今のルールを書く
【今のルール】
人数:
目的:
できる行動:
得点方法:
リスク:
勝利条件:
記入例
【今のルール】
人数:2〜4人
目的:3ラウンドで一番多く点を取ること
できる行動:
自分の番に、安全コースか危険コースを選ぶ
得点方法:
安全コースはサイコロを1回振って、出た目が点数になる
危険コースはサイコロを2回振って、合計点が点数になる
リスク:
危険コースで1が出たら0点になる
勝利条件:
3ラウンド後に、合計点が一番高い人が勝ち
長く書きすぎなくて大丈夫です。
AIが読んでわかるくらいで十分です。
4. 困っていることを書く
次に、今のルールの弱いところを書きます。
ここが一番大事です。
「何に困っているか」がわかると、AIは改善案を出しやすくなります。
よくある困りごと
| 困りごと | どういう状態か |
|---|---|
| 運だけで決まりそう | プレイヤーの判断が少ない |
| 迷う場面が少ない | どれを選んでも同じに見える |
| 逆転が起きにくい | 一度負けると追いつけない |
| ルールが長い | 説明に時間がかかる |
| 盛り上がる場面がない | 成功・失敗の反応が薄い |
| 強すぎる行動がある | いつも同じ選択が有利 |
| 待ち時間が長い | 自分の番まで暇になる |
ワーク③|困っていることを書く
今のルールで困っていることは、____です。
記入例
今のルールで困っていることは、運だけで決まりそうなところです。
今のルールで困っていることは、負けている人が逆転しにくいところです。
今のルールで困っていることは、選択肢はあるけれど、どちらを選んでもあまり変わらないところです。
困りごとは、1つで十分です。
多く書きすぎると、何を直す授業なのかぼやけます。
5. 欲しい案を書く
最後に、AIに何を出してほしいかを書きます。
ここをはっきりさせると、AIから使いやすい案が返ってきます。
欲しい案の例
| 欲しい案 | 使う場面 |
|---|---|
| 迷う場面を増やす案 | 選択が弱いとき |
| 逆転できる案 | 勝敗が早く決まりそうなとき |
| ルールを短くする案 | 複雑になりすぎたとき |
| 盛り上がるイベント案 | 地味なゲームになったとき |
| バランスを良くする案 | 強すぎる行動があるとき |
ワーク④|欲しい案を書く
AIには、____する改善案を3つ出してほしいです。
記入例
AIには、負けている人が逆転できる改善案を3つ出してほしいです。
AIには、プレイヤーがもっと迷う改善案を3つ出してほしいです。
AIには、ルールを複雑にしすぎずに盛り上げる改善案を3つ出してほしいです。
「3つ」と数を決めるのがポイントです。
多すぎると選ぶのが大変になります。
6. 悪い聞き方と良い聞き方を比べる
ここで、AIへの聞き方を比べます。
悪い聞き方
面白いゲームにしてください。
これは短いですが、情報が足りません。
AIは、どんなゲームなのか、どこを直したいのか、どんな体験にしたいのかがわかりません。
良い聞き方
私たちは、3〜5分で遊べるサイコロゲームを作っています。
目的は、最後まで逆転できて、友達同士で盛り上がるゲームにすることです。
今のルールは、
サイコロを振って点数を集め、3ラウンド後に一番点が高い人が勝ちです。
ただ、運だけで決まりそうなのが弱いです。
プレイヤーが迷う場面を増やす改善案を3つ出してください。
違い
| 比較 | 悪い聞き方 | 良い聞き方 |
|---|---|---|
| 目的 | ない | ある |
| 今のルール | ない | ある |
| 困りごと | ない | ある |
| 欲しい案 | あいまい | はっきりしている |
AIに聞く文章は、長ければ良いわけではありません。
必要な情報が入っていることが大事です。
7. AIに改善案を出してもらう
ここから実際にAIを使います。
チームで作ったメモを、次の形にまとめてAIに入力します。
AI相談テンプレート
私たちは、3〜5分で遊べるゲームを作っています。
【作りたい体験】
____なゲームにしたいです。
【今のルール】
・人数:
・目的:
・できる行動:
・得点方法:
・リスク:
・勝利条件:
【困っていること】
____です。
【お願い】
このゲームをもっと面白くするために、
改善案を3つ出してください。
それぞれ、
・何を変えるのか
・なぜ面白くなるのか
・ルールが複雑になりすぎないか
も短く説明してください。
実習の流れ
| 順番 | やること |
|---|---|
| 1 | チームで相談文を完成させる |
| 2 | AIに入力する |
| 3 | 出てきた案を読む |
| 4 | すぐ採用せず、まず並べる |
| 5 | 良さそうな案に印をつける |
AIの案を見た瞬間に、「これで完成」と思わないこと。
ここからが本番です。
8. 採用・保留・不採用に分ける
AIの案は、そのまま全部入れません。
全部入れると、ゲームが重くなります。
ルールが増えすぎると、説明だけで疲れます。
だから、AIの案を3つに分けます。
| 分け方 | 意味 |
|---|---|
| 採用 | 今回使う |
| 保留 | 面白そうだが、今回はまだ使わない |
| 不採用 | 今回のゲームには合わない |
判断基準
| チェック | 見ること |
|---|---|
| わかりやすいか | 1分以内で説明できそうか |
| 迷いが増えるか | プレイヤーが考える場面があるか |
| 盛り上がるか | 成功・失敗で反応が出そうか |
| すぐ遊べるか | 紙、ペン、サイコロだけでできるか |
| 自分たちらしいか | 最初に作りたかった体験と合っているか |
ワーク⑤|AI案を仕分ける
【AIの案1】
内容:
採用 / 保留 / 不採用:
理由:
【AIの案2】
内容:
採用 / 保留 / 不採用:
理由:
【AIの案3】
内容:
採用 / 保留 / 不採用:
理由:
記入例
【AIの案1】
内容:負けている人は次のラウンドでサイコロを2回振れる
採用 / 保留 / 不採用:採用
理由:
逆転が起きやすくなり、ルールもわかりやすいから。
【AIの案2】
内容:毎ターン特殊カードを3枚から選ぶ
採用 / 保留 / 不採用:不採用
理由:
面白そうだが、カードを作る必要があり、説明が長くなるから。
9. 採用案を1〜2個に絞る
採用する案は、1〜2個までにします。
ここはかなり大事です。
AIの案をたくさん入れると、ゲームが良くなるように見えます。
でも実際は、ルールが増えすぎて遊びにくくなることがあります。
絞る理由
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 説明が短くなる | すぐ遊べる |
| テストしやすい | 何が良くなったかわかる |
| 混乱しにくい | 初めて遊ぶ人にも伝わる |
| 直しやすい | 次に改善しやすい |
ワーク⑥|採用案を決める
私たちが採用する案は、____です。
選んだ理由は、____だからです。
今回は採用しない案は、____です。
採用しない理由は、____だからです。
記入例
私たちが採用する案は、
最下位の人だけ次のラウンドでサイコロを2回振れるルールです。
選んだ理由は、
逆転が起きやすくなり、説明も短いからです。
今回は採用しない案は、
毎ターンイベントカードを引くルールです。
採用しない理由は、
面白そうだけど、準備が大変でルールも長くなるからです。
「使わない」と決めることも、立派な判断です。
10. 改善版ルールを作る
最後に、採用した案を入れて、改善版ルールを作ります。
改善前・改善後で整理する
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 修正前 | 元のルール |
| 問題点 | どこが弱かったか |
| AIの案 | AIが出した改善案 |
| 採用した修正 | 実際に入れるルール |
ワーク⑦|改善版ルールを書く
【修正前】
____
【問題点】
____
【AIの案】
____
【採用した修正】
____
記入例
【修正前】
3ラウンドでサイコロを振り、合計点が高い人が勝ち。
【問題点】
一度点差がつくと、逆転しにくい。
【AIの案】
最下位の人だけ、次のラウンドでサイコロを2回振り、好きな目を選べる。
【採用した修正】
2ラウンド目以降、最下位の人はサイコロを2回振って、好きな方を得点にできる。
改善版ルールの最終テンプレート
【ゲーム名】
____
【人数】
__人
【目的】
____
【できる行動】
____
【得点方法】
____
【リスク】
____
【AIで改善した点】
____
【勝利条件】
____
今日のゴールチェック
ここまでできていればOKです。
| チェック | 内容 |
|---|---|
| □ | 目的を書けた |
| □ | 今のルールを書けた |
| □ | 困っていることを書けた |
| □ | 欲しい案を書けた |
| □ | AIに改善案を出してもらった |
| □ | AI案を採用・保留・不採用に分けた |
| □ | 採用案を1〜2個に絞った |
| □ | 改善版ルールを書けた |
全部できなくても大丈夫です。
今日一番大事なのは、これです。
AIの案をそのまま使うのではなく、
自分たちのゲームに合うかを考えて選ぶこと。
今日のまとめ
AIは、ゲームを代わりに完成させる道具ではありません。
AIは、相談相手です。
自分たちでは思いつかなかった案を出してくれます。
でも、その案を使うかどうかは、自分たちで決めます。
今日の流れは、これでした。
目的を書く
↓
今のルールを書く
↓
困っていることを書く
↓
欲しい案を書く
↓
AIに相談する
↓
採用・保留・不採用に分ける
↓
1〜2個だけ採用する
↓
改善版ルールを作る
ゲーム作りで大事なのは、アイデアの量だけではありません。
どの案を選ぶか。
どの案を使わないか。
そこにチームの考えが出ます。
次回やること
次回は、今日作った改善版ルールを使って、実際に遊びます。
やることは、次の4つです。
| 次回やること | 内容 |
|---|---|
| テストプレイ | 本当に遊べるか試す |
| 観察 | 迷った場面、盛り上がった場面を見る |
| 最終修正 | 1〜2個だけ直す |
| 発表 | ゲーム名、面白い点、AIで直した点を伝える |
次回のポイントは、AIの予想ではなく、人が遊んだ反応を見ることです。
AIが良いと言った案でも、遊んでみると合わないことがあります。
逆に、小さな修正が思った以上に効くこともあります。
ゲームは、紙の上では完成しません。
遊んでみて、初めて見えてくるものがあります。